小石のリトグラフ
掌中に収まるサイズの天然の石灰岩を採集し、裁断・研磨し平面を成形する。その版面に作品となるイメージを描き、古典的印刷技術でもある石版画の技術で製版される。裁断面以外は石のゴツゴツした自然の形状を残しているため、プレス機を使用せず独自の方法で印刷している。1798年にアロイス・ゼネフェルダーによって開発され、現代まで技術が発展してきたリトグラフの草創期を想起することができるだろう。「小石のリトグラフ」では、採集する場所の風景や生息する動植物を描くことでイメージと素材の関係が自身の中で反復・増幅を繰り返され、イメージが紙に定着する。石が見ていただろう風景と石を求めて出会った風景のふたつの眼差しが版面となる表面で重なる。展示の際には、イメージが定着した石(版)と紙に刷りとった印刷物のイメージの両方を作品として並列させている。また石灰岩の採集までのプロセスを視覚化することも試みている。
これは2018年より自採石灰岩で創作を始め、2021年よりプロジェクトとして国産石灰岩の調査・採集を行い、石版画制作に取り組んでいる。
「小石のリトグラフ」発表経歴
2018年 自採国産石灰岩を用いた石版画作品制作を始める
2018年 12,1月 グループ展 「Print for Sale」(GALERIE LaPaix/名古屋)
2019年 3月 ワークショップ 「Fragments Litogràfics」(La Maldita Estampa/Barcelona, Spain)
11,12月 グループ展 「Print for Sale」(GALERIE LaPaix/名古屋、hatoba cafe/京都)
2020年 1~3月 グループ展 「キッチンリトグラフプロジェクト」(Super Gallery/名古屋)
10月 グループ展 「Hand Specimen 小さな石と大きな景色と水平線」(GALLERY HEPTAGON/京都)
2021年 4月 個展 「蒐集されたページ」(MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w /京都)
6月 ワークショップ 「小石のリトグラフ」(京都市立芸術大学 版画コース/京都)
2022年 8〜9月 ワークショップ 「落書きリトグラフ/モザイクリトグラフ」(米原市立伊吹山中学校/滋賀)
11,12月 グループ展 「ゆらめくいきものたち」(京都精華大学ギャラリーTerra-S/京都)
12月 ワークショップ 「マーブル・リトグラフ」(京都精華大学ギャラリーTerra-S/京都)
2023年 3月 ワークショップ 「窓もしくは鏡のようなリトグラフ」(兵庫県立美術館アトリエ2/兵庫)
3月 グループ展 「KOMPAS 」( Zebra Culture / Ghent BE)
5月 ワークショップ 「かけらのリトグラフ ゾルンホーフェン産の石で」(名古屋芸術大学 Art & Design Center West/愛知)
ゆらめくいきものたち/2022 /京都精華大学ギャラリーTerra-S、京都
撮影:高野友実
画像提供:京都精華大学ギャラリーTerra-S
Photo: TAKANO Tomomi
Photo courtesy: Kyoto Seika University Gallery Terra-S
my little stones / 2019-2020 / 映像 / 6:58
Stone Cutting / Flat Surface / 2020 / 映像 / 3:53
「Fragments Litogràfics」(La Maldita Estampa//Barcelona, Spain)
自採石灰岩による独自の石版画作品制作「小石のリトグラフ」をプロジェクトとして、展開。
(5/28/2021)
「Lighter but Heavier」としてリトグラフに関する検証・研究、展覧会企画などを活動を行っています。
「Lighter but Heavier」の活動はホームページ、Facebook、Instagramでも紹介していますのでご覧ください。
H.P. http://lighterbutheavier.strikingly.com
FBページ https://www.facebook.com/litholbh/
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(7/25/2019)
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